せっかく買うのだから長く使うし、「いいエアコン」を選んで失敗はしたくないですよね。その「いいエアコン」の判断基準の一つになるのが、省エネ性能です。昨今の省エネ性能について、購入前に覚えておくとおよいポイントをご紹介いたします。
超省エネと省エネの違い
家電量販店やショッピングモール、ECサイトなどエアコンを販売しているいたるところにある「省エネ」の文字と緑のラベル。この緑のラベル、省エネラベル(統一省エネルギーラベル)というものでエアコンを買う時に重要なので、必ずチェックしましょう。
この「省エネラベル」令和2年(2020年)に改定され、店舗やサイトによって新旧ラベルが混在します。新ラベルは2027年度を目標年度とする新しい省エネ基準が策定され、2025年度以降は表示が義務化されています。
「省エネ」はきちんとルールがある
実は、「省エネ」は誰でもつけていいものではありません。「グリーン購入法」で定められた基準において一定水準を超えた製品のみに限られます。
そして、「超省エネ」は、「グリーン購入法」の基準を満たし、「2015年省エネ基準値」をクリアしているものを指します。
超省エネタイプと省エネタイプはどう見る?
違いとしては最新モデルのエアコンに多いので、本体価格が高くなるケースが多いです。
でも、超省エネタイプはランニングコストが必然的に低くなります。本体価格差と計算して、長く使うことを考えると超省エネを選ぶほうがいいですね。
エアコンの場合、地域の気温や使用環境などにより差はありますが、目標基準(トップランナー基準)を達成しているかどうかは、省エネ性能の比較等に役立つので便利です。
省エネラベルの見方と3つのポイント
統一省エネルギーラベルは3つから成り立つものになります。
- 省エネ性能を表す「星の数」
- 省エネ基準達成率
- 年間目安電気料金
・省エネ性能を表す「星の数」
「多段階評価制度」といい、5段階から41段階の多段階評価に変更。見てそのままですが、星の数が多いほど省エネ性能が高い製品になります。
・省エネ基準達成率とAPF
省エネルギーラベルの見方は、省エネ達成基準を満たしていれば緑色のマークで示されます。達成していないとオレンジ色のマークになります。
緑のマークが(省エネ基準達成率100%以上)になるため、省エネ性能の優れたエアコンを探す場合の目安として覚えておきましょう。
省エネ基準達成率は、目標の基準値をどの程度達成しているか%で表示されています。この数値が大きいほど、省エネ製が優れていることになります。
APFは、細かい説明は覚えなくても大丈夫!これは、年間のエネルギー消費効率を示していて、数値が大きいほど省エネ性能が優れています。
・年間目安電気料金
1年間の電気料金を目安で示しています。括弧が付いている場合(温水便座)などこの料金をちゃんと見ておかないと結果的に損をするケースがありますので特に注意しましょう。
省エネラベル「年間目安電気料金」を見ないと損をする
エアコンを購入する際に、最終的にいくらかかるかのお財布事情。
省エネ性能や快適な機能があったり、メーカー選びでも迷いますが、忘れてはいけないのがランニングコストです。
14畳用のエアコン2機種を例に見てみましょう。
ダイキン 2023年モデル うるさらX RXシリーズ S403ATRP と 2023年モデル CXシリーズ S403ATCPのスペックです。
機種 | 本体価格 | 多段階評価点 (2027年度) |
省エネ基準達成 (2027年度) |
年間電気代目安 |
RXシリーズ | 159,800 | 4 | 107% | 28,782 |
CXシリーズ | 109,799 | 1 | 74% | 41,688 |
本体価格だけ見れば、約5万円の差があり、とりあえず安ければいいか!ではダメです。
年間電気代目安の差額は、約 13,000円。
これが5年間だと 約 6万5千円。 10年だと約 13万円の差がつきます。
なので、本体価格の差は埋まってしまいますね。
さらに、エアコンクリーニングはお掃除機能付きだと1.5〜2万円くらいのコストがかかることも考えると、本体が高くても、利用年数を考えれば RXシリーズを選んだ方がコスパが良いと思いませんか?
では、さらにお掃除機能のついていない ダイキン Eシリーズ S403ATEPで見てみましょう。
機種 | 本体価格 | 多段階評価点 (2027年度) |
省エネ基準達成 (2027年度) |
年間電気代目安 |
RXシリーズ | 159,800 | 4 | 107% | 28,782 |
Eシリーズ | 88,000 | 1 | 74% | 41,688 |
本体価格の差は、約 7万円ですが、ちょっと待ってください。
実は、CXシリーズと省エネラベルの内容が同じです。
こうなると、5年間で買い替えるならEシリーズのほうがコスパがよく見えます。
また、エアコンクリーニングを毎年やるよ!となった場合、
お掃除機能付きは 2万円 × 10年で 20万円
お掃除機能なしは 1万円 × 10年で 10万円
こうなると、お掃除機能付きじゃないほうがいいのかな?とも思いますが、もし2年に1回のエアコンクリーニングだった場合、価格は同じになります。
また、お掃除機能なしの場合、自分でほこりなどの掃除する必要もあり、もし全然掃除をしていないでいると、エアコンのフィルターにホコリなどが溜まり効きが悪くなることで無駄な電力を消費することになるので、結果的に電気代が高くなります。
この辺は、ライフスタイル次第で選べばよいと思います。

これはエアコンメーカーも言っていることなのできちんとお掃除をしましょう。
超省エネエアコンとはいえ、ライフスタイルにあわせたエアコン選びが大事
エブリディ、エブリナイ ずっとエアコンをつけっぱなしという方は、超省エネの恩恵はたっぷり受けられると思いますが、日中仕事をしていて、夕方から夜しか使わない。休みも出かけて家にいることが少ないなどライフスタイルによって選び方を考えるほうが良いですね。
まとめ
シリーズごとで年間電気代目安など違ってくるので、
省エネラベルをみて、計算して購入を考えよう!
最新モデルの超省エネはランニングコストを考えると、トータルお得。コスパ良し。
でも、エアコンクリーニングは高くつく。
この金額も加味して考えると、省エネエアコン選びがうまくいくでしょう。
今回は触れていませんが、エアコンは設置工事で追加の費用が発生したりします。
ちょっとお金がかかるとしても、事前見積もりを依頼して購入すると良いですよー。